【青森】リンゴ園悲鳴「手回らない…」/津軽地方、高齢化や労働力不足深刻、就業条件合致せず 時給750円


1: 2017/11/21(火) 16:35:35.72 ID:CAP_USER9

11/21(火) 13:36配信

 リンゴの主産地、青森県津軽地方一円で、労働力不足が深刻化している。葉取り、収穫などの繁忙期にはアルバイトを雇う農家も多いが、頼りにしていた人から高齢などを理由に断られると、なかなか次の人が集まらないのが現状という。リンゴの収穫作業を体験しながら、労働力不足を考えた。

 11月上旬、板柳町の農地所有適格法人「晨(とき)」のリンゴ園。雨交じりのなか、収穫作業を手伝った。

 収穫したのはサンふじ。早ければ10月下旬に収穫が始まり、11月いっぱいかけてもぎとる。長く樹上にならせたままでも問題ない品種だが、日々寒さが厳しくなり雪が積もると作業に支障を来すため、農家はもぎとりに精を出す。1人で作業できる広さは約30アールとされる。

 晨取締役で元板柳町職員の石澤雅人さん(61)に指導を受けた。たわわに実ったリンゴを傷つけないよう、また、つるを枝に残さないようもぎ取り、手かごに入れていく。手かごがいっぱいになったら台車に積み込み、選果する作業員の元に運ぶ。この繰り返しだ。

 立った姿勢で手元のリンゴをもぐ作業は楽だ。リンゴを手のひらで包み、つるの根元に力が加わるように傾けていくと「プツン」と心地よい感触を残して枝から離れる。手かごはすぐにいっぱいになる。

 はしごを使った作業は雨で滑りやすく慎重さが必要になる。高い位置のリンゴをもぐと、つる元のくぼみにたまった雨水が実を伝って袖口に入り込み、徐々に寒さが身にしみてくる。高齢者には、つらい作業だろう。

 「楽をしよう」としたときだった。はしごを移動するのが面倒になり、少し遠くの実に狙いを定めて手を伸ばした。無理な角度でリンゴに力を加えたために、「すぽん」とつるが抜け、枝に残ってしまった。こうした、つるのないリンゴは商品価値が下がってしまうという。

 午前中いっぱい作業に従事した。晨の時給は750円。給料に換算すると日給6千円、月収だと約12万円ほど。臨時社員やパートならば仕事先として選択肢になるだろうが、常勤で考えた場合は、不安が残る。

 リンゴ産業の現場では人手不足を機械化、省力化で対応してきたが、限界にきている。労働力不足の要因には農家の高齢化に加え、繁忙期が偏り通年の仕事がないという、働く側と農家のニーズが合致しづらい事情もある。栽培技術が進み高品質なリンゴを収穫するための葉取りやつる回しといった手間が掛かる作業が増えたことも労働力不足に拍車を掛けているという。

 労使のマッチングを図ろうと、津軽みらい農協営農経済本部(黒石市)は「無料職業紹介所」を開設しているが、17年4~10月の実績は農家からの求人6件に対し求職は4人。条件が合致して雇用されたのは1件だった。

 晨の舘岡一郎社長(74)=前板柳町長=は「労働力不足は農家の高齢化と後継者不足が一番の要因。働き盛りの時に園地を拡張してきた人たちが高齢化して手が回らなくなっている」と指摘。「農家は忙しいときに働き手がほしい。労働者は一年を通じて働きたい。双方をうまくつなぐ仕組み作りがいまの課題」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171121-21133635-webtoo-l02



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